H:ありがとうございます。では、台湾の大学生と、日本の大学生は、どう違うと思いますか。
O:一つはまず日本での語学教育がすごく効率が悪いんです。たぶん教授法に問題があると思って、あまり効果が出てこなかった。それに比べると、台湾での語学教育がすごく効率がいいんです。会話にしても作文にしても、教授法がとてもよくできています。従って、成果も現していると思います。もう一つ、それにもかかわってね、台湾の言語習得への考え方は、自然に多言語環境においたかもしれないが、日本と比べればかなり効率的だと思います。日本はやはり多言語のトレーニングがまだ不十分だと思います。こちらに来て私のほうが驚きました。一つの例なんですが、今三年生の会話の授業に、ある学生がすごく日本語が上手で、両親とも台湾人なのに、どうしてこんなに日本語がうまいかと、不思議だったんです。そしたら、小さいごろに父親の仕事でアルゼンチンに住んだことがありました。そこでスペイン語を覚えて、英語も少し、そして中国語はもちろん、加わって日本語も上手だったんですね、これはやはり多言語社会の一つの例だと思います。自然に語学能力を身についているんですね。もちろん日本にもそういう例もありますが、ただ相対的比率から言うと、日本はまだまだ低いんです。やはり台湾の人が多言語社会で言語を考える比率か確率が高いですね。またこれが私一面的な考えでね、張くん(編集者)はどう思いますか。
H:確かに先生がおしゃった通りですね。私自身も家ではほとんど台湾語しかしゃべらなくて、学校で北京語を使って、また小さい頃英会話の勉強もしましたね。中学校や高校から興味で日本語を勉強し始めたんです。私みたい、多言語を習得しようとする人は台湾では少なくないかもしれませんね。
O:そうですね。おそらくその小さい頃から多言語への関心あるいは習慣は、日本では少ないかもしれないですね。
H:語学の方が先生は台湾の学生を大変評価されているんですが、文学の方はどうですか。
O:それも私が思っている以上、すごく勉強している、あるいは関心を持っている学生がいて、びっくりしましたね。文学史の授業が難しいと思いますが、その歴史のことと日本文学のエッセンスというか、そこから関心を持って、一つ専門的に勉強したいと思ってもらえれば、一番いいですね。ただ古典文学ですね、こちらの学生にとって難しいかもしれないんですね。同じ日本語とは言っても、もうひとつの外国語みたいですね。でもこれは日本の学生にとっても同じことですね。日本の大学生にとって、古典もまた別の外国語みたいですね。私自身は近代文学が専門ですけど、でも近代文学に関心を持つ人にこそ、むしろ古典をしっかり勉強してほしいです。やはり古典はあらゆる文学の基礎ですね。基礎をしっかり身につけることは、どんなことにとっても大切でしょ。それは古典なんですよ。古典を知らないと、本当に近代の良さは知らないのです。だから日本の古典をしっかり勉強してほしいと言う気持ちが強いですね。
H:先生は学部ではまだ文化という授業がありますね。その授業について、なんか発見とか、感想はありますか。
老師在大學部還有日本文化的課程,關於這個課程,老師有什麼發現或者感想呢。
O:あのね、私はどんな授業でも楽しんでやらせてもらってますね、特に文化の授業はやっていて面白いです。学生の反応もすごくいいと思いますね。それは文化というのは難しいですね、和歌とか俳句とか、深いですね。それをじっくり鑑賞すれば、おのずから日本文化の本質が理解できるんですね。いま少しずつ学生もわかりつつあるみたいですね。とてもやりがいがあります。
嗯,不管是什麼課我都上得非常開心,但是日本文化這門課我上起來特別有趣。學生的反應我也覺得很好。文化這東西說起來非常困難,像是和歌或者俳句,非常深奧。如果能夠好好的鑑賞,就能夠自己理解日本文化的本質了。現在學生好像有慢慢在理解的樣子。我覺得是一門上起來非常有意義的課程。
H:学期もこれまで半分くらい来ていますが、学生について何か期待とかはありますか。
O:ちょうどこの前中間テストしましたけど。授業で勉強していることはどれだけ身についているかを試験で確認しましたね。それも思っている以上皆さんがよく勉強していましたね。だから期待するというと、やはり日本文化の魅力をより深めてほしい、より味わってほしいですね。ただし日本文化といっても、最終的には、それぞれの自分の国や地域、あるいは地方、あるいは自分の生まれ育った文化それぞれあるわけで、相対的な見方を身につけてほしいですね。先ほどの多言語社会と同じように、多元的な相対的な視点を、日本文化や歴史、文学を通して、広げていってほしいと。今の若い学生の人は、これからの21世紀国際社会にリーダーシップが発揮できる、そういう人材にやってほしいから、今がんばって、そういう勉強をしていたら、私たちの一番やりがいがあると思います。
H:先ほどまでは学部の話なんですが、先生今学期も大学院の授業がありますが、院生たちについてどう思いますか。
O:大学院の授業は二つのトレーニングがありますね。一つはよく調べることです。私の考えとしては、学問研究の基礎はとにかく調べる能力を身につけることですね。その次はより独自の発想やイメージする能力をトレーニングする。この二つだと思ってるんです。そのためには、特に最初の調べることを、とくにわたしの授業ではやってもらってますが。これも思っている以上に、皆さんが限られた条件の中で、よくがんばって調べていると思うんですね。その調べたことを、どれだけ有機的にほかの事と関連づけて、次に発想する、イメージするのが、問題だと思う。それはまだこれからですね。もう少し時間がかかるかもしれないんですか、でも今やっている感じは大丈夫だと思います。
H:ありがとうございます。
O:文学研究は特にそうですね、感性というものを磨かないと、なかなか味わいのいいものが出来ませんね。だから皆さんにイメージする、発想する能力を身につけてほしいですね。
H:今日のインタービューに、台湾の生活や授業など、それぞれ先生のご感想とご期待をお聞かせいただいて、ありがとうございました。だいぶ時間をかかってしまって、すみませんでした。今日はこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。
今天的採訪,針對台灣的生活或課堂等等,聽到了老師很多感想或者對學生的期待,謝謝老師。不好意思佔用了老師這麼多時間,今天的採訪就到這邊結束,謝謝老師。